現在高校1年生の娘は中学受験に合格して中高一貫校に通っています。
当時、無事に合格できて娘も私たち家族もホッとしていたわけですが、その昔々、母である私も中学受験を経験致しています。
3人兄弟の末っ子で、勉強もそこそこできた優等生タイプ。親(特に母親)も公立中学に通う上2人とは違った景色が見たかったのでしょう。勧められるがままに中学受験専門の進学塾に通い、難解な勉強を頑張っていました。特に嫌がりもせず、当時自分の周りには受験する子もほとんどおらず、その稀有な環境を楽しんでさえいました。実際電車で塾まで通い、塾の友達と過ごすのもとっても楽しかったです。
でも、勉強もどんどん難しくなり、分からなくなってきました。志望校もみるみるランクが下がり、最終的には、馴染みのない街の見知らぬ中学校を受けることに。
そして迎えた受験当日。
朝の集合以降の記憶が一切ありません。
気付いた時は、母が運転する帰りの車の中。おそらく、試験開始後具合でも悪くなったのでしょう。(でも5教科受けたはず)
なんせ、試験がどんなだったか全く覚えていないのです。
もちろん結果は不合格。
家族も周りの友達も、私が受験して落ちたことはなかったかのように接してくれて、私は公立中学に進み、全く気後れすることもなく中学校生活を謳歌しました。
今振り返ると、あれは、私なりの「最大の抵抗」だったのではないかと思うのです。
ずっと自分の気持ちにウソをついていたのではないかと。
本当は、家から離れた女子校になんて行きたくない。姉や兄が楽しそうに通っている地元の中学に自分も通いたい。
だから、受かってはいけない。
そんな気持ちが最後の最後に働いたんじゃないかな、って思うのです。
でも、悪いのは決して親ではなく、心の奥に潜む本心を親に打ち明けられなかった自分です。
ちゃんと正直に両親に話せていたら、早い段階で受験は辞めていたかもしれない。親も拒む我が子に無理やり受験をさせるような人たちでは決してありません。
ただ、子どもって、そういうところがあると思うんです。
きちんと自分の希望や意志を持っている子はいいけれど、なんとなくやってみようかな、とか、親が喜ぶならいいかな、とか、周りと違うことするのもいいやん、とか。
わりとファジーな感覚でやってることってあるんじゃないかなぁって思うのです。
でも、中学受験はたくさんの時間とお金を費やし、本人だけではなく親の労力も相当なもの。
塾通いのために他の習い事を辞めるなど犠牲も払います。
せっかく受験するならやっぱりいい結果で終わりたい。その為には、何よりも、本人が本当に受験してその中学に行きたいかが大切だと思っています。
本当は嫌だけど親を悲しませたくないし…とか、「なんとなく」では絶対に難関中学には受からないと思っています。
中学受験はほぼほぼ親の誘導だったりしますよね。
我が家もこの度娘を受験する方向に誘導はしましたが、私も夫も、
再三、さいっさん!
娘の意思を確認しました。
やりたくないことはさせたくないですから。
受験が嫌なら、地元の公立中学でも全然いいんだよ。本当に○○中学に行きたいと思ってる?
と、しょっちゅう聞いていました。
娘も少しずつその中学に通うことのメリット、デメリットを意識するようになり、自分の気持ちを固めてくれたと思います。結果中学生活も、新たに始まった高校生活もとても楽しく過ごしています。本人もこの学校に入って本当に良かったと話しています。
本人の正直な気持ちをおざなりにしては絶対にダメ。そう思います。それが、ハッピーな受験ライフに繋がると思います。
30年以上も昔の経験談です。今は塾ももっと進化しているでしょうし、何よりも情報もたくさん得られる時代になっているので私の頃とは受験スタイルはもちろん異なっていると思います。でも、試験問題は今も昔もさほど変わっておらずとっても難解です。難関中学になれば本当に複雑で難しいと思います。
これからお子様に中学受験を考えておられる方がいらっしゃれば、少しでも参考になれば幸いです。
子どもの学習を後押しするのは、子どもがそこに行きたい!という気持ちです。
最後までお読み頂きありがとうございます。