みなさん、お家でお料理する時、お出汁を取っていますか?
私はつい最近まで「だしの素」なるものにずーっと頼ってきていました。粉末のものにやや抵抗感を持つようになって、今度は「だしパック」なるものに頼るように。さらに、無添加・化学調味料不使用と謳われているだしパックに移行するように。
カラダのことを気遣いたいと思いつつも、なかなか自分で「出汁を取る」ということをしてこなかったのですよね。
それはひとえに、「面倒くさいから」です。
昆布を水に浸し、その後鰹節を入れて濾して、、、という一連の工程がどうしても面倒でできなかった。子育てにも忙しく時間に追われる生活をしていたから、そんな余裕が持てませんでした。
先日お出汁の勉強会に参加して、お出汁についてざっくりですが学び、実際に調理実習も行なって、改めてお出汁の美味しさ、奥深さに感動しました。
以降、毎日ではありませんが、一回合わせ出汁をたくさん取っておいて、それを色々なお料理に使うことにしています。慣れるとさほど面倒なことではなく、結構楽しくできています。
ここで話しているお出汁は、「合わせ出汁」のことです。そう、昆布+鰹の合わせ出汁。
この合わせ出汁は関西で生まれたというのをご存知ですか?天下の台所といわれている大阪生まれなのですよ。関西出身の私にとっては「わお!嬉しい!」歴史です。
出汁自体の歴史は鎌倉時代、もしくはその以前の文献に載っていたようですが、合わせ出汁として料理に使用されるようになるのは江戸時代だそうです。
もともと、日本の北の方では良質な昆布が取れていました。それが北前船と呼ばれる船で大阪に運ばれてきたのです。と同時に和歌山県でその製法が生まれた鰹節が土佐(高知県)に伝わり、鰹節が大阪に運ばれるようになった。そして昆布と鰹節が、出会った〜!なんですって。
ではなぜ昆布が関東はスルーして関西に運ばれるようになったのか。
それには水路の発達と大阪の立地が関係しています。
大阪には淀川があり京都へも行き来が可能。奈良方面には大和川も流れています。
また大阪湾を見てもわかるように、まだ汽車が通る前の時代、水運が発達していて大阪の港は国内にとどまらず、ポルトガル・スペイン・アジアから貿易船もやってくるし、キリスト教の宣教徒たちも港にやってきていたそうです。
大阪は日本中からあらゆる物質が集まる経済の中心地だったわけです。水の都と呼ばれているように川がいくつも枝分かれして流れており、橋が渡り物や人が活発に行き来していたのでしょうね。
そんな中で、様々な食材が集まるようになり、食文化が栄えたのは言うまでもありませんね。
日本料理は水分の多いメニューが多いですよね。お吸い物、お味噌汁はもちろん、煮物などお水を使った料理が多い。これも、日本の水の種類とも関係しているのです。
日本の中で、関西は軟水です。クセがなくそのまま飲める軟水は昔から料理にもダイレクトに使われていたそうなんです。
食にこだわりを持った関西人が合わせ出汁を使って様々なお料理を開発していったのは必然と言えば必然。さすがです。
次回は実際の合わせ出汁についてのその性質について学んだことをアウトプットしたいと思います。